読んだもの見たもの聴いたもの

本やアイドルが主成分

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年下半期 よく聴いた音楽たち

自分用に記録しておく分。上期はこれ。 popeyed.hatenablog.com ほぼ下半期にリリースされたものから選んでいるけど、たまに上半期リリースも混じっている。また思いついた順番に挙げているので、順位はない。

2020年に読んで良かった本10冊

今年一年間に読んだ本の中から特に面白かったものを十冊選んで残しておく。今年は外出自粛時期があったり行く予定にしていたライブが中止になったり海外旅行ができなかったりしたし、会社から同僚との飲み会禁止を言い渡されたために仕事終わりも直帰が増え…

令和の生きづらさ 『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』熊代亨

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて 作者:熊代 亨 発売日: 2020/06/17 メディア: 単行本(ソフトカバー) この本を読もうと思ったのは、この記事を読んだからだった。 gendai.ismedia.jp そしてそもそもこの記事を読んだのはこの記事…

画面の中にだけある現実 『静かに、ねぇ、静かに』本谷有希子

静かに、ねぇ、静かに (講談社文庫) 作者:本谷 有希子 発売日: 2020/10/15 メディア: 文庫 本谷有希子さんの最新作が文庫化されたので買った。これまで本谷さんの小説は全て読んできたくらいには本谷さんの作品が好きなのだけど、何が好きかというとその圧倒…

『A子さんの恋人』が傑作だった

A子さんの恋人 全7巻完結セット (ハルタコミックス) 発売日: 2020/10/27 メディア: コミック 漫画『A子さんの恋人』が完結した。この漫画は最初からずっと面白くて、新刊が出る度に一巻から読み返し~を繰り返すため、最終巻に至っては買ってから実際に読む…

推しとアイデンティティ 『推し、燃ゆ』宇佐見りん

「推しは命にかかわるからね」 生まれてきてくれてありがとうとかチケット当たんなくて死んだとか目が合ったから結婚だとか、仰々しい物言いをする人は多い。成美もあたしも例外ではないけど、調子のいいときばかり結婚とか言うのも嫌だし、〈病めるときも健…

数珠繋ぎ読書~「考える」こと~

本屋さんで本を選ぶ時、今気になっていることに関する本や、先日読んだ本から連想される本を選ぶことが多い。ただ飽き性なので一つのテーマについての本をぶっ続けで読めない、間に全然違うものを挟みたがる性分のため、そのテーマに対して集中しきれないの…

他者を消費するということ 『持続可能な魂の利用』松田青子

魂は減る。敬子がそう気づいたのはいつの頃だったか。 魂は疲れるし、魂は減る。 魂は永遠にチャージされているものじゃない。理不尽なことや、うまくいかないことがあるたびに、魂は減る。魂は生きていると減る。だから私たちは、魂を持続させて、長持ちさ…

「家族」という舞台装置 『靴ひも』ドメニコ・スタルノーネ

もしも忘れているのなら、思い出させてあげましょう。私はあなたの妻です。わかっています。かつてのあなたはそのことに喜びを見出していたはずなのに、いまになってとつぜん煩わしくなったのですね。—5頁 靴ひも (新潮クレスト・ブックス) 作者:ドメニコ・…

『ホーホケキョとなりの山田くん』

ホーホケキョ となりの山田くん [DVD] 発売日: 2015/03/18 メディア: DVD 毎年のように金曜ロードショーでジブリが放送されているが、私がジブリで一番大好きな『ホーホケキョとなりの山田くん』だけは頑なに放送してくれない。調べてみたら2000年にたった一…

2020年8月某日その1 数字/JOKE2022/エッセイ

Snow Manの渡辺翔太くんが表紙を飾る雑誌ananの発売前重版が決定したらしい。すごい!こんなことはanan創刊以来初めてのことだそうだ。シンプルにすごいと思うし、本人もきっと喜んでいるだろうと思うとこちらまで嬉しい。最近はSnow Manのメンバーが掲載さ…

「惚れたが負け」は本当か 『胸騒ぎの恋人』

胸騒ぎの恋人(字幕版) 発売日: 2014/07/04 メディア: Prime Video 監督・脚本:グザヴィエ・ドラン 出演:グザヴィエ・ドラン、モニア・ショクリ、ニールス・シュネデール マリーとフランシスは親友同士の男女。そんな二人が、掴みどころのないみんなの人気…

2020年上半期リリース よく聴いた音楽たち

毎日Apple Musicで音楽を聴いている。Apple Musicが私の曲の好みを察知して色々な曲をおすすめしてくれるので(ちょっと怖いけど)、最新曲を聴くこともできて重宝している。 音楽については何の知識もなく、基本的には「自分にとって気持ちいいメロディー」を…

自分を愛す可しで「可愛い」 『おんなのこきらい』

女の子はいろいろ、きっかけもいろいろ 終わりにもいろいろ、いろいろあるんです 『女の子入門』ふぇのたす おんなのこきらい 発売日: 2016/05/18 メディア: Prime Video 監督・脚本:加藤綾佳 出演:森川葵、木口健太 とにかく可愛いことだけが取り柄のキリ…

信頼できない語り手としてのAI 『エクス・マキナ』『her/世界でひとつの彼女』

これまであまり意識してなかったけど、私はたぶんSFが好きだ。ロボットが出てきて~とか、宇宙に旅に出て~という話、またタイムリープすることができて~とかの本格SFも好きだけど、それよりも、近未来では現代では考えられないことがもはや当たり前になっ…

"リスク"に対する姿勢 『もうダメかも——死ぬ確率の統計学』

ここ最近で一番面白かったノンフィクション。 もうダメかも――死ぬ確率の統計学 作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター 発売日: 2020/04/13 メディア: 単行本 人間は必ずいつか死ぬ。いつか死ぬ確率は100%だ。では、いつ死ぬのか…

暇を持て余したので#30daybookchallengeを一気にやる

最近Twitterで「#30daybookchallenge」の投稿を眺めている。人のを見るのは好きだけど、Twitterで自分でやるのはちょっと自意識が邪魔をする…あと毎日一冊ずつするのは性に合わない…でも考えるのは楽しいだろうな、ということで、誰にも頼まれてないけどやる…

自分自身の"適量"を知ること 『BUTTER』柚木麻子

私は亡き父親から女は誰に対しても寛容であれ、と学んできました。それでも、どうしても、許せないものが二つだけある。フェミニストとマーガリンです—37頁 BUTTER (新潮文庫 ゆ 14-3) 作者:柚木 麻子 発売日: 2020/01/29 メディア: 文庫 男たちに貢がせ、殺…

"見える"ということ 『白の闇』ジョゼ・サラマーゴ

失明した男は両手を眼にもっていくと、身ぶり手ぶりで言った。 なんにもない、まるで霧にまかれたか、ミルク色の海に落ちたようだ。—11頁 白の闇 (河出文庫) 作者:ジョゼ・サラマーゴ 発売日: 2020/03/05 メディア: 文庫 ある日突然失明し、目の前がまるで「…

2020年4月某日その3 白の闇/アイドルとSNS

この人達はさあ ファンに愛されてると思ってるのかなあ ライブ会場ってさ "欲しい"って熱気でぱんぱんなんだよね "なんかくれ" "俺にくれ"ってさ それって愛? それだって愛でしょ 森依曰く「あげるものがあるうちは」 やっぱり人間じゃねーな 『恋愛的瞬間…

告白による解放 『悲しみを聴く石』アティーク・ラヒーミー

悲しみを聴く石 (EXLIBRIS) 作者:アティーク ラヒーミー 発売日: 2009/10/01 メディア: 単行本 舞台はアフガニスタンなのか、それとも違うどこかなのか。明記はされていないが、日常的に紛争が起こっており、銃声が鳴り響く音がしたり銃を持った兵士が家に入…

批判力を高める 『火星からの侵略 パニックの心理学的研究』ハドリー・キャントリル

自分が自覚している初めてのパニックは、初めて「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が導入されたUSJに行った時だと思う。夜になるとUSJのパーク内にゾンビが多数発生する、という内容で、もともとお化けやホラー、オカルトの一切が苦手な私は行く前から怖かっ…

愛すべき"人間たち"の話 『東京百景』又吉直樹

東京百景 (角川文庫) 作者:又吉 直樹 発売日: 2020/04/10 メディア: 文庫 18歳で大阪から上京してきた芸人のピース・又吉さんから見た東京の風景と、その時そこに在った人間たちの話。単行本で既に読んでいたのだが、文庫化にあたり追加されたエッセイが一編…

2020年4月某日その2 本屋さん休業/POP×STEP!?

ねえ、僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純に分けられているわけじゃないんだ。そのあいだには陰影という中間地帯がある。その陰影の段階を認識し、理解するのが、健全な知性だ。そして健全な知性を獲得するには、それなりの時間と労力が必要とされる。 …

"群衆"の行動様式 『群衆心理』ギュスターヴ・ル・ボン

コロナウイルスについて色々なニュースを目にし、一喜一憂、ではなく一憂一憂という感じで気が滅入るばかりの毎日を過ごしている。もちろん疫病そのものも怖いし、景気は悪くなるし、行くはずだったライブは中止になるし、遊びに行けないし、でも在宅勤務は…

2020年4月某日 大量消費/人間の価値/母娘

年度初めの第一週がようやく終わった。人事異動の時期なので本来であれば絶対に飲みに行っていただろうけど、コロナの影響により歓送迎会などは全部自粛。帰りにいつもの本屋さんへ立ち寄る。今村夏子さんの新刊『木になった亜沙』が発売されてる…!日本文学…

"正常"であることとは何か 『消滅世界』村田沙耶香

消滅世界 (河出文庫) 作者:村田沙耶香 発売日: 2018/07/05 メディア: 文庫 年齢も20代後半となり、周りの同世代にも結婚した人、子供が生まれた人が増えてきた。と同時に会社へ入社して数年が経ち、もう「新人」扱いはされなくなると共に大きい仕事を担うこ…

アイドルにまつわる「数字」についての雑感

2019年、初めてジャニーズJr.を好きになった。私は幼い頃からSMAPが好きで、中学生の頃から関ジャニ∞が好き。両方とも私が好きになった時はもうデビュー後だった。なので向井康二くんの加入をきっかけに最初はYouTubeから見始めたSnow Manと、そんなジュニア…