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本やアイドルが主成分

ポルトガル文学

不死がもたらす幸と不幸 『だれも死なない日』ジョゼ・サラマーゴ

翌日、人はだれも死ななかった。人生の規則に絶対的に反するこの事実は、さまざまな状況のもとで、人びとの心にとてつもなく大きな、完全に正当化できる不安を引き起こした。—7頁 だれも死なない日 作者:ジョゼ・サラマーゴ 河出書房新社 Amazon 元日になっ…

"見える"ということ 『白の闇』ジョゼ・サラマーゴ

失明した男は両手を眼にもっていくと、身ぶり手ぶりで言った。 なんにもない、まるで霧にまかれたか、ミルク色の海に落ちたようだ。—11頁 白の闇 (河出文庫) 作者:ジョゼ・サラマーゴ 発売日: 2020/03/05 メディア: 文庫 ある日突然失明し、目の前がまるで「…