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アイドルにまつわる「数字」についての雑感

 2019年、初めてジャニーズJr.を好きになった。私は幼い頃からSMAPが好きで、中学生の頃から関ジャニ∞が好き。両方とも私が好きになった時はもうデビュー後だった。なので向井康二くんの加入をきっかけに最初はYouTubeから見始めたSnow Manと、そんなジュニアを取り巻くファンの世界を、2019年に初めて知った。

 そこで一番印象的だな、というか熾烈だな、と思ったのがアイドルにまつわる「数字」の話。ここ1年弱で色々なことを思ったり感じたりしたので、コロナウイルスで公演が延期になってめちゃめちゃ暇な今、纏めておきたくなったので書く。

 

 この1年弱、「数字」にこだわるツイートをたくさん見た。動画の再生回数、お気に入りやリツイート数、ビルボードランキング、Twitterのトレンドランキング、CDの売上枚数…他にも雑誌で取り上げられるランキング(ex.恋人にしたい~等)など、多岐に渡る。今までもCDの売上やドラマの視聴率、映画の興行収入など目に見える数字はあったけど、ジャニーズがネットに参入したことによって"より身近に"、"エントリーコストの低い"形でファンが数字に関与できるようになったと思う。金銭的コストや都市ー地方の時間的コストをかけずとも、「YouTubeを再生する」ことや「ハッシュタグをつけて呟く」ことで数字に貢献できるようになった。

 

 ジュニアを取り巻くその状況について、とにかく感じたことは「大変だな…」ということだった。オタクにもアイドル本人にもその数字は見えていて、アイドル本人から「協力してほしい」と言われる。そう言われると頑張りたくなる気持ちも当然分かる。そうなると他グループの数字の伸びも気になる。どうしても比較してしまう気持ちが出てくる―自然なことだなと思った。これは大変だ…本当にそう思った、この1年弱だった。

 

 そういう環境下で私がとる基本的なスタンスは、「数字にはこだわらない」が、「数字にこだわる人が持つ(私が想定し得る)こだわる理由にも共感できる」というもの。白黒つけるべき問題ではないと思っているので当然どちらが正しいかという話でもなく、私のオタクとしての基本姿勢を勝手に喋りたいだけなので、誰かを不愉快にさせてしまったらすみません。数字にこだわる派の方々のことをすごいと思うこともあるし、全くもって理解できない、相容れないと思っているわけでもない。どちら派のオタクも、好きな人のことは好き。

 

 では以下、①私が「数字にはこだわらない」理由、②「数字にこだわる理由にも共感できる」理由、③今後、精神衛生上健やかにオタクを続けるために。

私が数字にはこだわらない理由

1.私のオタク活動は全て"我がの為"だから

 私がオタク活動を行ううえでできうる限り心掛けているのは以下の通り。

  • 公式チャンネルの動画を再生しよう(YouTubeやIsland TV、Radiko視聴等)
  • 公式HPや公式ツイートをシェア、リツイートしよう
  • 欲しいCDや雑誌は買おう

 いつでも、常に、完璧にこれを実践できているかと言えば、そうでもない時もあるのが正直なところだと白状しておくけど、なぜこういうように心掛けているかというと、完全に私の為。画質が良いから、音が良いから、正しい情報が欲しいから、手元に置いておいて好きな時にいつでも見たいから。それが叶うと私が嬉しいから。シンプルにこういう理由なのだと思う。ただ、結果的にそれが微々たるものではあれど数字に繋がるのであって、そうなれば私とアイドルはWIn-Winで、これがショービジネスの理想だと思っている。

 

2.推しがいかにして売れるかを考えるのは私の仕事ではないから

 もちろん、考えることには考える。例えば康二くんに朝ドラ出演が決まって老若男女からの知名度が上がりブレイクしてほしい!とか、目黒くんにanegoみたいな恋愛ドラマ出演が決まって世の女性からの支持が集まりananセックス特集決定!とか。Snow Manは年齢の開きが大きいグループで最年長はジャニーズの歴史の中でデビュー時最高年齢なので、とにかく早くドカンと売れてほしいな、深澤くんが30歳になる前に大きなヒット曲を出して満を持してラウールちゃんがハタチ、全員が成人グループとなってさらに仕事の幅が広がって~…とか。こういう妄想をするのは本当に楽しい。

 

 だけど、実際にいかにして売れるかを考えるのは、あくまで本人及び事務所の仕事だと思っている。ファンが関与して作り上げた数字=反響の大きさが新たな仕事につながる側面もあるだろうけど、私には"私の手で"推しを売りたい、という感覚はあまりない。あくまで本人及び事務所がオーディションを受けるなりコネクションを活用するなり何なりして決まった仕事に対して「やった~~~!!!嬉しい~~~!!!ウィィィィ~~~!!!」と奇声をあげるだけのオタクとして生きていきたい。

 

 なので、起用する側に対する「オファーしてくれてありがとうございます」という感謝も、実はそこまでない。起用する側も色々な事情はあれど、さすがにビジネスなので何らかの勝算があって起用を決めているだろう。そしてそれに出演する側も自分を売り出す好機になるだろう。起用する側、出演する側でWin-Winになれば良いなという思いに留まる。

 

 そしてここで上に書いた起用を決める際の「色々な事情」についても少し考えることがあって、売り出し中の若手に仕事が決まればその度によく言われるのが「ゴリ推しされているから」というもの。私個人としては、「運も実力のうち」と同じく、「ゴリ推しされるも実力のうち」という感覚。この先はかく言う「ゴリ推し」が実際に存在すると仮定して話をするが、ゴリ推す人も当然趣味ではなく仕事でやっているので、それこそ勝算なくゴリ推したりはしないだろう。またゴリ推された結果決まった仕事を"与えてもらった好機"と捉え自分のモノにし、次からは自力で仕事を取って来れるようになるかどうかは本人次第で、ゴリ推し状態が一生続くわけではない。そういう意味では、そういった「色々な事情」で仕事が決まったって良いじゃない、と思っている。

 

3.私の場合、オタク活動は長距離マラソンだから

 私は体力がないので、数字を強く意識したオタク活動は長続きしそうにないから、というのが3つ目の理由。例えば大好きな女性アイドルをどうしても選挙で1位にしたい、という気持ちを例にとると、選挙権が与えられるシングルは1つに絞られている。しかも女性アイドルの活動期間は一般的に男性より短く、グループからの"卒業"を繰り返すのが通例。よって自分の推しがどの選挙をもって最後となるかは分からない。そこで頑張って「数字」(=得票数)を出す、というオタク活動は、どちらかというと短距離走なのではないかと思う(違う、という人がいたらすみません)。しかし男性アイドルは一般的に活動期間が長い。私の大好きなSMAPだってデビュー後の活動期間は25年、シングルは55枚リリースされている。もちろん"いつ卒業(脱退)するか、解散するかは分からない"という可能性はジャニーズにだってあるが、活動期間の長さはやはり女性のそれよりは長期化する確率の方が高い。

 私は今までの傾向を鑑みると一度好きになったアイドルのことは基本的にず~っと好きでいる可能性が高いので、オタク活動は長距離マラソンなのである。そこで短距離走を今後10年?20年?続けることはできない。金銭的にも精神的にも、どこかで息切れするだろう。なので、とにかく長距離マラソンの走り方=マイペースを乱さない走り方をしたい。無理なことは一切しない、好きなことだけをする、だから楽しい、それが結果的に数字に繋がれば万々歳だな、くらいの緩さで、ず~っと康二くんの後ろを追いかけたい。

 

「数字にこだわる理由にも共感できる」理由

1.特にジュニアやデビュー間もないグループは仕事を得るきっかけのフックが既存デビュー組と比べて少ないから

 完全に想像だけの世界ではあるが、デビュー組に新しい仕事が決まるフックは以下のようなものがあるのではないか。

【ブランド力】

  • 知名度
  • ネームバリュー
  • 出演することにより"箔"が付く(こともある) 等

【実績】

  • 過去にヒット曲がある
  • 過去にヒットドラマがある
  • 過去に人気長寿バラエティー番組がある
  • 過去にライブ等で高い動員数をたたき出している 等

【人脈】

  • 過去に一緒に仕事をしたことのある業界の人がそのアイドルの人柄を知っている 等

 まぁ完全に「知らんけど」の世界なのだけど。

 

 しかしジュニアには上に書いたようなフックが少ないだろうと推測する。ファンの間では抜群の知名度を誇っていたとしても、世間の人はあまり知らない。デビュー組と比べた時の実績は、まだこれから作っていく段階にあるので、当然現時点では及ばない。そうなった時に肝になるのが「数字」だろう。ものすごい動画再生数をたたき出す、何かに出演すればトレンドで上位を取る、雑誌が重版になる…とにかく世間及び業界の人に「今まで正直あんまり知らなったけど、なんかすごい勢いあるっぽいな…!?」と思わせることが大事。ジュニアやデビュー間もないグループが持ち得るフックは、まさにここなのではないか。なので、そのためにオタクが数字にこだわることは、その点でよく分かる。

 

2.自分の推しの良さを広めたいから

 これは本当に分かる。私は基本的に「よその子もみ~んな可愛い、分かってる、けどなんやかんやでうちの子が一番やろ!?!?」て半ば本気で思うタイプのモンペオタクなので、とにかく全人類に康二くんのことを好きになってほしい。「うちの康二にこんな仕事が決まったよ~みんな見て~!!」て気持ちで公式ツイートをリツイートするし、「うちの康二がこんなに可愛いの、騙されたと思って一回見てお願いお願い!!」ていうあんた康二くんの何?ていう謎のスタンスでYouTubeやIsland TVをシェアしている。

 数字にこだわるオタクたちもみんな、本当に推しのことが好きなんだよね。よく分かる。CDや雑誌を買う金銭的コスト、地方公演にまで参加する時間的コストだけでなく、ハッシュタグをつけてたくさん呟いたりテレビ局や出版社にハガキを送ったりする手間ひまのコストだってすごく大きいと思う。でもそんなコストを"コスト(=費用)"とも感じずに楽しんでやれるなら、数字にこだわってそれが推しの仕事に繋がるのかもしれなくて、その仕事を享受してまたオタクハッピー、という好循環が生まれるなら、とても良いし楽しいね!!

 

3.数字にこだわった結果が、推しの活力になり得る可能性があるから

 これは康二くんが第25回Jr.大賞の花形部門でもある「恋人にしたいJr.」ランキング第2位を取ったことについて、後のインタビューで本当に喜んでいたこと、ファンに感謝していたことを読んだことがきっかけで想定した理由。

 特にジュニアはいつデビューできるか分からず、そもそもグループも流動的で常にグループに所属できるかどうかも分からず、ある日突然辞めてしまうかもしれない。それがジュニアなのだと、この1年で知った。

 

 この1年でオタク友達に見せてもらった康二くんの関西ジュニア時代の映像。センターで、いつも決まった緑色の衣装を着て歌い踊っていた康二くんが、彼をメンバーとしない新グループ結成を機に、2列目で、緑色じゃない衣装で歌うようになった映像。決して新グループが悪いとか、そんな話では絶対にない。ただ、康二くんを好きになった後の私の目でその映像を見ると、リアルタイムじゃないのに苦しかった。Snow Manとしてデビューすることが決まっているからこそまだ見られるけど、今そう決まっていなかったとしたらとてもじゃないけど辛くて見られない、とも思った。そんな状況下で行われたのが第25回のJr.大賞。当然私はリアルタイムではそのことは知らず、この1年で康二くんのことを色々と調べたから知り得たことだけど、康二くんが「ランクアップしたい」と公言したこと、ファンの方々が本当に本当に頑張ったこと、その結果前年度20位から大幅ランクアップの2位で着地したことを知った。

 

 のちのインタビューで新グループに入れなかったことで落ち込んだ、ジャニーズを辞めようかとも思ったと答えている康二くんにとって、自分を応援している人がこんなにもたくさんいる、ということがまさしく「数字」で表されたことが、本当に励みになったのではないかと想像する。色々な見方はあれど、「数字」も「愛」の一種であるということの実例なのではないか。そう思うと、オタクが数字にこだわる気持ちも、本当によく分かる。

 

今後も健やかにオタクを続けるために

 だらだらと「数字」について思うことを書いてしまった。この1年溜まりに溜まっていたのがよく分かる。ただ、数字数字数字のムーブメントを見てしんどいな、と思うこともあったけど、デビューシングルが1位をとった喜びとか、Snow Manの生配信がたくさんの人に見られたことによってD.D.を9時間の間に死ぬほど聴いたな~ていう思い出とか、数字にまつわる楽しいこともたくさんあった。

 デビューして1ヶ月以上経ち、若干落ち着いてきたかな?というところで、今後も健やかにオタクを続けるために気を付けたいことは、当たり前のことだけどとにかく他を下げないこと。私はやっぱりモンペオタクなので、自分の飼っているモンスターが暴徒化しないように、それだけは絶対に気を付けたい。特にSnow Manの場合は同時デビューなので、今後2枚目のシングルの売上、ファーストアルバムの売上、ツアー会場の規模、冠番組や紅白、どっちが大きい?どっちが先?等という視点で比べようと思えばどこまでも比べることができる。だけど私は「ふ~ん…そっちもスゴイやん…かっこええやん…まぁうちも負けてないけど…?(互いにグータッチ)(暗黒微笑)」て感じの、あんたSnow Manの何?ていう謎のスタンスで在りたい。それにデビューしたらSnow Manのライバルは同事務所だけでなく他事務所のアイドル、俳優…というか芸能人全てと言っても過言ではないので、事務所内グループのオタク同士でああだこうだとギスギス言い合っても不毛だと感じてしまう。

 

 無理なく、自分の好きなことだけをして、私が幸せ→それが推しのアイドルの実績に少しでも繋がるならラッキー万々歳→また自分の好きなことだけをして~というユル~いオタク活動を長~く続けたい。

 

 ということで、Snow Manのファーストアルバムはいつですか!?(買う気満々)