読んだもの見たもの聴いたもの

本やアイドルが主成分

人文

『子どものことを子どもにきく』杉山亮

ある日、先生の教科書にはみんなのとちがって最初から赤い字で答えが印刷してあるのを発見した隆。けっこうびっくりして以後先生を尊敬していない。—168頁 子どものことを子どもにきく ――「うちの子」へのインタビュー 8年間の記録 (ちくま文庫 す-30-1) 作…

こんな本を読んでました ノンフィクション編

読んだ本の感想を書き留めておく気力と体力がない間に読んだ本のことを今更残す。

『往復書簡 限界から始まる』上野千鶴子・鈴木涼美

あなたの倍近く、長く生きてきたわたしは、上から目線と言われても、あえて言いましょう、ご自分の傷に向きあいなさい。痛いものは痛い、とおっしゃい。ひとの尊厳はそこから始まります。—58頁 往復書簡 限界から始まる (幻冬舎単行本) 作者:上野千鶴子,鈴木…

『記憶のデザイン』、『積読こそが完全な読書術である』

記憶のデザイン (筑摩選書) 作者:貴光, 山本 発売日: 2020/10/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) これは記憶術のノウハウなどが書かれている本では全くなくて、まず現代人が置かれている情報環境を俯瞰し、日々膨大な情報を受信する私たちがいかにして自…

選ぶ、そして選ばない自由 『女の子は本当にピンクが好きなのか』堀越英美

女の子は本当にピンクが好きなのか (河出文庫) 作者:堀越英美 発売日: 2019/10/05 メディア: 文庫 すごく面白くて、間を置くことなく一気に読み切ってしまった。ピンク=女子の色として定着するまでの歴史、アメリカにおけるアンチピンク運動やファッション…

服従が生む熱狂と快楽 『ファシズムの教室』・『服従の心理』

日本史の学び直しに興味があってそういう本を読んだのだけど、近現代史、特に戦争前後についてもっと知りたいなと思った一環で読んだ2冊について、自分用のメモを残しておく。 この2冊はどちらもとある体験授業や実験における結果とそれに対する分析をまとめ…

令和の生きづらさ 『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』熊代亨

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて 作者:熊代 亨 発売日: 2020/06/17 メディア: 単行本(ソフトカバー) この本を読もうと思ったのは、この記事を読んだからだった。 gendai.ismedia.jp そしてそもそもこの記事を読んだのはこの記事…

数珠繋ぎ読書~「考える」こと~

本屋さんで本を選ぶ時、今気になっていることに関する本や、先日読んだ本から連想される本を選ぶことが多い。ただ飽き性なので一つのテーマについての本をぶっ続けで読めない、間に全然違うものを挟みたがる性分のため、そのテーマに対して集中しきれないの…

批判力を高める 『火星からの侵略 パニックの心理学的研究』ハドリー・キャントリル

自分が自覚している初めてのパニックは、初めて「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が導入されたUSJに行った時だと思う。夜になるとUSJのパーク内にゾンビが多数発生する、という内容で、もともとお化けやホラー、オカルトの一切が苦手な私は行く前から怖かっ…

"群衆"の行動様式 『群衆心理』ギュスターヴ・ル・ボン

コロナウイルスについて色々なニュースを目にし、一喜一憂、ではなく一憂一憂という感じで気が滅入るばかりの毎日を過ごしている。もちろん疫病そのものも怖いし、景気は悪くなるし、行くはずだったライブは中止になるし、遊びに行けないし、でも在宅勤務は…

男性も女性も"思考"しよう 『他人のセックスを見ながら考えた』田房永子

他人のセックスを見ながら考えた (ちくま文庫) 作者: 田房永子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/02/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る エロ本の女性ライターが取材した性産業の現場、消費者の男性、働き手の女性を通して、セックスとジ…