読んだもの見たもの聴いたもの

本やアイドルが主成分

Snow Man向井康二くんに演じてほしい小説の登場人物3選

 2020年にデビューする予定のSnow Man向井康二くん。彼については、私がずっと関ジャニ∞が好きであることもあって、ムエタイブラザーズやKin Kanに所属していたことは知っていたけど、パーソナルな部分もきちんと見始めたのはSnow Manに加入するというニュースを聞いてからの話。康二くんが加入して初めて知ったSnow Manにも今やズブズブとハマッてしまって楽しい毎日なのだが、今からデビューするって楽しみしかなくて良いですね!これから初めてのCD、初めてのMV、初めてのホールツアー、初めてのドームツアー、初めての…がたくさん続くかと思うと楽しみで仕方ないなかで、中でもすごく楽しみにしているのが康二くんのお芝居のお仕事。本人の雰囲気的に少女漫画原作はあまりピンとこないけど、小説が原作のサブカル色の強い、テアトルシネマ系の映画に合うんじゃないか、そんな映画に出てほしい!ということで、康二くんに演じてほしい小説の登場人物を3人挙げてみた。

1.山崎ナオコーラ『ニキの屈辱』の加賀美

ニキの屈辱 (河出文庫)

ニキの屈辱 (河出文庫)

 

 1歳年下の人気写真家ニキのアシスタントになるカメラマンの卵・加賀美。成功を収めている写真家とそのアシスタント、という上下関係の中でニキにこれでもかと振り回されるのだが、そんなニキと加賀美が恋人同士になってから、二人の関係性が次第に変わっていく。社会的に"女"扱いされることを嫌い、仕事の面では必死にその上下関係を維持しようとするニキの意固地さと、プライベートでは加賀美にたった一人の女の子として大切にされたいと思う心。この両者のバランスが上手く取れない不器用なニキが愛おしくて痛々しい。そうして段々と良い写真が撮れなくなっていくニキの一方で、ニキに触発されて自身の写真が評価されだしていく加賀美が、次第にニキから心が離れていく様の悲しいこと。良くも悪くも加賀美は"男"なのだ。仕方ないのだが、ニキの肩を持ちながら読むと本当に悲しくなる。

 そんな加賀美を、カメラが趣味でブログやWeiboに撮った写真をアップしている康二くんに演じてほしい。最初は相手の女の子にぶんぶん振り回されていたのに次第に精神的に下克上を起こしていく加賀美は、康二くんにぴったりだと思う。

 

2.リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』の〈わたし〉

愛のゆくえ (ハヤカワepi文庫)

愛のゆくえ (ハヤカワepi文庫)

 

 人生の勝者ではない、落伍者が自分の書いた本を持ち込み、自分の好きな棚に置いていく図書館。そんな図書館に何年も閉じこもって働く青年が主人公の〈わたし〉だ。そんなある日絶世の美女・ヴァイダが図書館へやってくる。一見落伍者ではないヴァイダだが、その美貌によって小さな頃から周囲の男が彼女を放っておかず、ある種見世物のようになっており、自身の体が自分のものである、という帰属性を感じられないでいる。ヴァイダも図書館に来る他の者と同じく、コンプレックスの持ち主なのだ。そんな二人が恋に落ち彼女は妊娠。しかし堕胎することを二人で決め、ヴァイダは何年も引きこもっていた〈わたし〉を外の世界に連れ出していく。

 この間テレビ雑誌の取材で読書特集があった時に、Snow Manで唯一「本を読む」と答えていた康二くん。図書館に引き籠り黙々と仕事に従事する康二くんが絶世の美女によって外の世界を知るようになるロードノベル、見たい。

 

3.鹿島田真希『二匹』の純一 

二匹 (河出文庫)

二匹 (河出文庫)

 

 これはぜひ目黒くんと康二くんのダブル主演でお願いしたい…!

 純一(康二くん)は一人で何もすることができない。例えばお箸もきちんと使えないし、学食の購買で買い物もできない。だからこそクラスメイトのみんなに面倒を見られており、いつもクラスの中心だ。また怪我ばかりしているのも、クラスみんなの庇護欲を掻き立てている。一方明(目黒くん)はクラスでは友達もおらず、完全に浮いている。そんな二人はクラスでは接点がないが、実は幼なじみ。放課後は明の部屋で一緒に過ごしたりする仲なのである。そんな純一が次第に「狂犬病」にかかり、ますます何も自分でできなくなっていく。そうして純一が明に噛み付いた時、純一と明は「二人」から「二匹」になるのである。「二匹」の間でしか伝わらない言語でコミュニ―ケーションをとる二匹の濃密な世界。閉鎖的で誰も介入できない世界。

 かなり前衛的な作品で実写化は難しいと思うが、何もできないがゆえにみんなに可愛がられる純一(康二くん)と、そんな純一に噛まれたことによって純一と同じ病にかかり「二匹」の閉鎖的な関係にズブズブにはまっていく明(目黒くん)は、見たいでしょ…。

 

 以上が3選でした。例えば羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』の健斗や、山田太一空也上人がいた』の中津草介も、康二くんが演じる画が浮かぶから見たい。どちらにしても胸キュン系では決してないし、演じた康二くんの好感度が上がるタイプの役でもないけど、そういう映画の方が私は好き。これから、きっとドラマや映画の出演が決まることもあるだろうから、本当に楽しみ。